台湾での出産は、感動と驚きの連続。
そして出産が終わったあとにも、生まれた子供のお世話だけでなく、手続きがたくさんあります。
我が家も妻が台湾人で、台湾で無事に第一子を出産しましたが、出産後にいろいろな手続きを同時進行でこなすのは正直大変でした。
この記事では、台湾で出産したあとに実際に私たちが行った「日本の出生届」「台湾での出生登録」「赤ちゃんのパスポート取得」「出産一時金の申請」などについて、流れやポイントをまとめてご紹介します。
✅ この記事で話そうとしている内容
・日本、台湾両方での出生届の提出
・パスポートの申請手続き
・出産後の文化・風習(坐月子など)
・出産後の各種届出、帰国準備について(簡単に)
✅ 私が経験したこと
・子供2人のパパで、2人とも台湾で出産しました。
・出産後の出生届からパスポートまでの申請手続きを日本、台湾の両方で行いました。
・奥さんが妊婦の時に台湾へ帰国し、出産時の立会い、育児、日本へ帰るまでの色々を経験しました。
1. 日本で出生届を提出する & 出生証明書や戸籍謄本を取得する
まずは日本側の出生届の手続き。
日本では、子どもが生まれたら14日以内に出生届を提出する義務があります。
但し、海外出産の場合、「出生証明書を受け取った日から3ヶ月以内」に提出すればOKです。
3ヵ月を超えると日本国籍の消失のリスクがありますので、この期間までには日本での出生届を出す必要があります。
※法務省 国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&A Question7
■ 提出先:
- 日本の本籍地 or 出生地 or 所在地の市区町村役場
※台湾の日本台湾交流協会では取り扱っていません。
■ 必要書類:
- 出生証明書(病院発行、原本)+日本語訳
- 出生届(日本の様式)
- 両親のパスポートや婚姻証明書など
※参照先:法務省 国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&A Question7
私の場合は、後続の子供のパスポート発行手続きで戸籍謄本の発行できるタイムラグや追加で提出が必要な書類の発生リスク、誰かに依頼するにも情報量が多いので、直接日本へ帰国して出生届の提出を出しました。
(LCCで往復3日間で対応した記憶がよみがえりました。労力はかかりましたが..)
日本のご両親や親族など本人でない人に出生届の提出を依頼する場合は委任状が必要です。
病院から発行された出生証明書も、原本の体裁を基に日本語訳を行い準備しました。
(当時はGoogleスプレッドシートで作り、奥さんにも簡単にチェックしてもらいました。今ならGPTに画像アップロードすれば、すぐに翻訳した書類ができそうな気がします。※試していません※)
予め出産立ち合いで帰国する直前に、提出する自治体の役所へ行き、提出に必要な書類の確認も行いました。
その後、一時帰国して出生届を提出した際は、書類不足のトラブル等も発生せず、手続きは無事に完了しました。
(出生届を出した際、母子手帳やワクチン接種のスケジュール、保育園・幼稚園のパンフレットをもらい、児童手当の申請の話など情報量が多くてパンクしそうになった記憶が今でも残っています。。)
また、日本の場合は二重国籍はNGなので、国籍留保として手続きをしています。
(18歳の際にどちらの国籍にするか決める必要があります。)
必要な書類は複数枚取得(戸籍謄本は最低3枚)しておくことをおすすめします。
2. 台湾で出生登録をする(戸政事務所)
台湾国籍を持たせたい場合は、台湾側の出生登録(戸籍登記)も必要です。
■ 提出先:
- 出生地や住民登録地にある「戸政事務所」
■ 必要書類:
- 出生証明書
- 両親の身分証明(台湾IDやパスポート)
- 戸籍登記申請書
ここは奥さんと奥さんのご両親に手伝ってもらい役所に行って手続きが完了しました。大体1時間程度。
また、出生届を出した際に、子供の苗字についても確認されます。
日本だと夫の苗字になりますが、台湾だと奥さんの苗字か私の苗字(台湾だと苗字は漢字1語になります)が選択できます。
私は台湾の場合は奥さんの性を名乗るようしているので、子供の苗字は奥さんの苗字にしています。
※逆に、日本の場合は私の苗字にしています。
3. 先に赤ちゃんの日本パスポートを台湾で申請する
台湾のパスポートを申請する際に日本人が夫or妻の場合だと、
申請者(生まれた子供)の日本パスポートや日本の戸籍謄本が必要になります。その為、先に日本のパスポートを取得する必要があります。
また、パスポートは申請は親だけでOKですが、受け取りは赤ちゃん本人もその場にいないといけないので、必然と台湾での申請の流れとなります。
(日本で申請しちゃいけません。詰みます。)
■ 申請場所:
- 日本台湾交流協会
- 台北事務所
- 高雄事務所
■ 必要書類:
- 一般旅券発給申請書・・1通(注1)
- 6か月以内の写真(縦4.5cm×横3.5cm)
- 6か月以内の戸籍謄本・・1通(原本を必要とします)
- その他必要な書類がある場合(※ 居留証等の提示や同意書等の提出をお願いする場合など)
- 手数料
※ 参照先:台北駐日経済文化代表処 パスポート初回申請(日本の施設の案内を参照してます)
※ 参照先:日本台湾交流協会
日本のパスポート申請には戸籍謄本が必要です。
子供の育児をしながら、出生届の提出と戸籍謄本の取得を日本と台湾で行き来して取得するのがスケジュール調整上、難しいです。
(私の場合、居住地と実家が離れており、親に頼むと移動時間がかかってしまうので代理で依頼しませんでした。)
上の子の時は、実は一時帰国時に出生届と戸籍謄本の取得を行い、帰国しました。
下の子の時は、出生届と台湾のパスポート申請で1か月かかったので、その間に育児し、帰国後に戸籍謄本を取得し、台湾へ郵送して奥さんごご両親に代理で日本のパスポート申請を依頼しました。
なお、生後数ヶ月の赤ちゃんの写真撮影は、ちょっとしたチャレンジ。(動かないで静止させるのが難しい。)
居留証とは
台湾に3ヶ月以上滞在する外国人が取得する身分証明書です。入国を許可する居留ビザを取得した後、入国後15日以内に申請する必要があります。
※私の場合は奥さんが台湾人なので居留証の準備は行いませんでしたが、奥さんが日本人で台湾で出産する場合は申請する必要があります。
4. 赤ちゃんの台湾パスポートを申請
赤ちゃんが日本に帰る際は、台湾のパスポートで出国手続きし、日本のパスポートで入国する必要があります。日本のパスポート発行後に申請しに行きます。
■ 申請場所:
- 外交部領事事務局(台湾各地にあります)
■ 必要書類:
- パスポート申請書
- 申請者(赤ちゃん)の日本パスポート原本及びコピー
- 住民票原本1部
- 両親のパスポートコピー1部ずつ
- 日本の戸籍謄本 又は 出生届事項記載証明書原本1部
- 赤ちゃんの証明写真(背景白・サイズ規定あり)
- 子女姓氏約定書
- 手数料
生後数ヶ月の赤ちゃんの写真撮影は、ちょっとしたチャレンジ。(動かないで静止させるのが難しい。)
うちでは写真屋さんに行って、タイミングを見て何枚か撮影してもらいました。パスポートは約1週間で発行されました。
5. 出産一時金を申請(日本の健康保険)
「海外出産だと出産一時金ってもらえないの?」と心配になる方もいますが、
日本の健康保険に加入していれば、海外出産でも基本的に出産一時金(法定給付+付加給付で50万円程度)が受け取れます。
(会社員なので会社が加入している健康保険のホームページを確認し、出産一時金の手続きを会社経由で行いました。)
■ 申請先:
- 加入している健康保険組合や協会けんぽ
■ 必要書類の一例(組合によって異なります):
- 出産証明書(日本語訳付き)
- 出産費用の領収書(可能な限り)
- 出産一時金申請書
- 振込先の銀行口座のコピー
- 母子手帳のコピー
- 日本の戸籍謄本
- 保険証の写しなど
健康保険組合のホームページの確認や会社への相談もすることをおすすめします。
まとめ:出産後の手続き、事前に知っておくと心に余裕ができます
出産後の育児はバタバタで、こうした手続きを思い出す余裕もないかもしれません。
ですが、事前にやることの流れがわかっているだけで、ずいぶん気持ちが楽になります。
我が家ははじめてのことだらけで苦労もありましたが、振り返ればとても貴重な経験でした。
これから台湾で出産される方の参考になれば嬉しいです!